有権者の目を引く!選挙の横断幕デザインのポイントと注意すべき法律

選挙 横断幕

選挙の横断幕で当選を勝ち取る秘訣は、公職選挙法という厳しいルールを完璧に守り、その上で有権者の記憶に残るデザインを追求することに尽きます。うっかり法律に違反すれば、選挙活動そのものが危うくなる可能性も。この記事では、選挙運動に不可欠な横断幕について、設置できる場所や期間、サイズといった法律の基本から、視認性を高める配色やフォント選び、心に響くキャッチコピーの作り方といったデザインの応用テクニック、さらにはおすすめの生地や業者選びのコツまで、専門家が徹底的に解説します。この記事を読めば、法令遵守と広報効果を両立させた、最強の選挙用横断幕を作成する方法がすべて分かります。

目次

まず押さえたい!選挙の横断幕に関わる「公職選挙法」の法律

選挙運動で横断幕を効果的に活用するためには、まず「公職選挙法」の規定を正しく理解することが不可欠です。法律を知らずに設置してしまうと、意図せず違反行為となり、厳しい罰則の対象となる可能性があります。

ここでは、選挙用横断幕の設置において最低限押さえておくべき法律のポイントを解説します。

横断幕を設置できる場所と期間

公職選挙法では、候補者の公平性を保つため、横断幕をはじめとする文書図画の掲示場所と期間が厳しく制限されています。原則として、選挙運動期間外の掲示や、定められた場所以外での掲示は認められていません。

設置が許可されている主な場所

  • 選挙事務所
    候補者1人につき1ヶ所のみ設置が認められている選挙事務所です。有権者が事務所の場所を把握しやすくする目的で、看板や横断幕の設置が許可されています。
  • 個人演説会や政党演説会等の会場
    演説会が開催されている時間内に限り、その会場の入口や会場内で横断幕を設置することができます。演説会が終了したら、速やかに撤去しなければなりません。
  • 街頭演説の場所
    候補者が街頭演説を行っている最中、その場所で使用する「標旗(のぼり旗)」は認められていますが、横断幕の設置は原則としてできません。ただし、たすきや腕章は認められています。

設置が禁止されている場所の例

  • 個人の住宅の塀や壁、店舗の敷地(選挙事務所を除く)
  • 電柱、街路樹、信号機、ガードレールなど
  • 国や地方公共団体が所有・管理する建物や施設(例:市役所、公民館、公園など)
  • トンネル、橋、高架道路など

これらの場所に無許可で設置すると違反となりますので、必ず選挙管理委員会に確認し、ルールを遵守しましょう。

設置できる期間

横断幕を設置できるのは、選挙運動期間中のみです。具体的には、立候補の届出が受理された日から、投票日の前日までとなります。選挙の告示日より前に掲示することは「事前運動」とみなされ、禁止されています。

規定されているサイズと枚数

設置できる横断幕のサイズや枚数も、場所によって明確に定められています。規定を超えると撤去命令の対象となるため、製作前に必ず確認が必要です。

設置場所設置可能な枚数1枚あたりの最大サイズ
選挙事務所看板、横断幕、縦旗などを合わせて2枚以内縦350cm × 横100cm 以内
個人演説会等の会場看板、横断幕、縦旗などを合わせて2枚以内縦273cm × 横73cm 以内

※上記は一般的な規定です。選挙の種類(国政選挙、地方選挙など)や各自治体の条例によって細部が異なる場合がありますので、詳細は管轄の選挙管理委員会にご確認ください。

記載して良い内容と禁止事項

横断幕に記載する内容にもルールがあります。有権者に候補者の情報を正しく伝え、公平な選挙戦を行うための重要な決まりです。

記載が認められている主な内容

  • 候補者の氏名、氏名の通称、ふりがな
  • 所属する政党や政治団体の名称
  • 候補者の顔写真
  • 選挙名(例:「〇〇区議会議員選挙」)
  • 演説会の日時や場所の告知(会場で掲示する場合)

主な禁止事項

  • 投票依頼などの直接的な表現(事前運動):選挙期間前は「〇〇をよろしくお願いします」といった投票を促す文言は記載できません。
  • 経歴詐称などの虚偽表示:候補者の経歴や実績について、事実と異なる情報を記載することは禁止されています。
  • 他候補者への誹謗中傷:他の候補者や政党をおとしめるような内容は、公職選挙法だけでなく名誉毀損罪に問われる可能性もあります。
  • 氏名等の類推事項の表示:候補者の氏名よりもキャッチコピーや政策を極端に大きく表示するなど、氏名以外の情報が目立ちすぎるデザインは、規制の対象となる場合があります。

公職選挙法に違反した場合の罰則とは?

もし公職選挙法の規定に違反してしまった場合、厳しい罰則が科せられる可能性があります。これは候補者本人だけでなく、選挙運動員や支援者も対象となる場合があります。

主な罰則には、以下のようなものがあります。

  • 警告・撤去命令:まず選挙管理委員会から警告を受け、違反している横断幕などの撤去を命じられます。
  • 刑事罰:悪質な違反や警告に従わない場合、「2年以下の禁錮または50万円以下の罰金」といった刑事罰が科される可能性があります。
  • 選挙権・被選挙権の停止:有罪が確定した場合、一定期間、選挙権や被選挙権が停止されることがあります。
  • 当選の無効:選挙違反の内容が重大であると判断された場合、たとえ選挙で当選したとしても、その当選が無効になるという最も重い処分が下される可能性があります。

「知らなかった」では済まされないのが法律です。選挙用横断幕を準備する際は、必ず公職選挙法のルールを確認し、クリーンな選挙運動を心がけましょう。

有権者の心をつかむ!選挙の横断幕デザインの5つのポイント

公職選挙法で定められたルールを守ることは大前提ですが、その枠内でいかに有権者の印象に残り、支持を得られるかが重要です。

ここでは、数多くの選挙掲示物の中から候補者の横断幕を目立たせ、有権者の心をつかむためのデザインの5つのポイントを具体的に解説します。

視認性を高める配色の選び方

横断幕は、車や徒歩で通り過ぎる一瞬で内容を認識してもらう必要があります。

そのため、最も重要なのが「視認性」、つまり遠くからでもはっきりと見えることです。配色の基本は、背景色と文字色のコントラスト(明度差)を大きくすることです。

色が多すぎると情報が散乱し、かえって読みにくくなるため、使用する色は3色程度に絞り込むのが効果的です。候補者のイメージカラーや所属政党のカラーを取り入れつつ、以下の組み合わせなどを参考に、周囲の景観に埋もれない配色を選びましょう。

背景色文字色与える印象・特徴
紺・濃青白・黄信頼感、誠実さを演出しつつ、文字が際立つ定番の組み合わせ。
黒・赤・青清潔感と力強さを両立。どんな色とも相性が良く、写真も映える。
赤・オレンジ白・黒情熱や活力を感じさせる。有権者の注意を強く引く誘目性の高い配色。
白・黄安心感や若々しさ、環境政策などをアピールしたい場合に効果的。

遠くからでも読めるフォントと文字サイズ

どのような素晴らしいキャッチコピーも、読めなければ意味がありません。

フォント選びの基本は、可読性(読みやすさ)の高いゴシック体です。特に、太字のゴシック体は力強く、遠くからでも文字の輪郭がはっきりと認識できます。一方で、明朝体は知的で誠実な印象を与えますが、横線が細いため、遠距離からの視認性ではゴシック体に劣る場合があります。

文字サイズは、横断幕を設置する場所から有権者が見る距離を想定して決定することが重要です。文字間や行間を適切に調整し、窮屈な印象を与えないよう配慮することも、読みやすさを向上させるポイントです。

フォントの種類特徴与える印象
ゴシック体(太字)線の太さが均一で、視認性が非常に高い。力強さ、安定感、親しみやすさ
明朝体縦線が太く横線が細い。上品で知的な雰囲気。信頼感、誠実さ、伝統
毛筆体手書きのような力強さと勢いがある。情熱、決意、和風

候補者の顔写真で親近感を演出する

候補者の顔写真は、有権者に名前と顔を覚えてもらうための最も効果的な要素です。

人間は文字情報よりも顔を認識・記憶しやすいため、写真は必ず掲載しましょう。写真選びで重要なのは、有権者に安心感と親近感を与えることです。清潔感のある服装と髪型を心掛け、信頼感を伝える真摯な表情や、人柄の良さを感じさせる自然な笑顔の写真が適しています。

プロのカメラマンに撮影を依頼することで、候補者の魅力を最大限に引き出した高品質な写真を用意できます。印刷時に画像が粗くならないよう、高解像度のデータを使用することも忘れてはならないポイントです。

短く記憶に残りやすいキャッチコピーの作り方

キャッチコピーは、候補者の理念や政策を凝縮し、有権者の心に突き刺す「言葉の矢」です。

横断幕で効果的なキャッチコピーは、7文字から15文字程度の、短くリズミカルで覚えやすいものが理想です。有権者が自分自身の問題として捉えられるような、共感を呼ぶ言葉を選びましょう。「〇〇の実現へ!」「未来のために、△△を。」のように、誰に、何を約束するのかを明確にすることが重要です。

具体的な数字(例:「3つの安心政策」)を入れたり、ポジティブで希望を感じさせる言葉を選んだりすることで、より記憶に残りやすくなります。

伝えたい政策をシンプルに表現するコツ

横断幕は、政策のすべてを詳細に説明する場所ではありません。

最も訴えたい核心的な政策を1つか2つに絞り込み、誰にでも理解できるシンプルな言葉で表現することが鉄則です。専門用語や難しい言葉は避け、「子育て支援の拡充」「安心の防災対策」「地域経済の活性化」といった具体的なキーワードを使いましょう。

有権者が一目見ただけで「この人は何をしてくれる人なのか」が直感的に理解できるような、分かりやすさを最優先に考えた言葉選びが、支持の拡大につながります。

失敗しない!選挙用横断幕の作り方と業者選びのコツ

公職選挙法やデザインのポイントを押さえたら、次はいよいよ横断幕の製作です。選挙運動は期間が限られているため、スムーズかつ確実に準備を進めることが勝利への鍵となります。

ここでは、横断幕の製作に最適な生地の選び方から、信頼できる印刷業者の見つけ方まで、失敗しないための具体的な方法とコツを詳しく解説します。

選挙の横断幕におすすめの定番生地「ターポリン」

選挙用の横断幕で最も広く使われているのが「ターポリン」という生地です。

ポリエステル製の布を軟質の塩化ビニール樹脂で挟み込んだ素材で、屋外での使用に適した多くのメリットがあります。なぜターポリンが選ばれるのか、その特徴を見ていきましょう。

種類特徴おすすめの設置場所
通常ターポリン高い耐久性・耐水性を持ち、発色が良いのが魅力。コストパフォーマンスに優れ、最も一般的なタイプです。選挙事務所、個人演説会場、街頭演説の掲示など、あらゆる場所に対応可能です。
メッシュターポリン生地に無数の小さな穴が空いており、風を通しやすい構造です。強風による横断幕の破損や設置場所への負担を軽減します。高層階の事務所やフェンス、風の強い沿岸部やビル街などでの設置に適しています。
遮光ターポリン生地の間に黒い幕を挟み込むことで、光を完全に遮断します。裏側のデザインや背景が透けるのを防ぎ、両面印刷にも対応可能です。両面に異なる内容を印刷したい場合や、照明の当たる場所、背景がごちゃごちゃしている場所での視認性を高めたい場合に有効です。

これらの特徴から、特別な理由がない限りはコストと品質のバランスが良い「エコターポリン」を選ぶのが一般的です。設置場所の環境に応じてメッシュターポリンなどを検討すると良いでしょう。

デザイン依頼から納品までの流れと費用相場

選挙用横断幕の製作は、専門の印刷業者に依頼するのが一般的です。ここでは、依頼から納品までの基本的な流れと、気になる費用相場について解説します。

製作の基本的な流れ

  1. 業者選定・問い合わせ・見積もり依頼
    複数の業者を比較検討し、実績や料金、納期などを確認します。希望する横断幕のサイズ、生地、枚数、デザインの有無を伝えて見積もりを依頼しましょう。
  2. デザインの打ち合わせ・データ入稿
    業者のデザイナーに作成を依頼するか、自分で作成したデザインデータ(Illustrator形式など)を入稿します。公職選挙法に抵触しないか、業者に最終確認してもらうと安心です。
  3. 最終確認・印刷開始
    仕上がりのイメージ(校正データ)を確認し、問題がなければ印刷を依頼します。この時点での変更は追加料金や納期遅延の原因となるため、慎重に確認しましょう。
  4. 加工・仕上げ
    印刷後、ハトメ(紐を通す穴)の取り付けや、強度を高めるための周囲ロープ縫込みなどの加工が行われます。
  5. 検品・納品
    業者が最終的な品質チェックを行い、指定された場所へ納品されます。

当社での基本納期は注文完了日より5営業日以内に発送となります。

費用相場

横断幕の費用は、サイズ、生地、デザイン制作の有無、加工オプション、納期などによって変動します。以下は、公職選挙法で定められた個人演説会用ポスター(縦273cm×横73cm以内)のサイズで製作した場合の一般的な相場です。

項目費用相場(1枚あたり)備考
横断幕本体(デザインデータ持ち込み)8,000円~20,000円生地の種類や枚数によって変動します。
デザイン制作費10,000円~30,000円修正回数やデザインの複雑さによって変動します。
特急料金通常料金の20%~50%増通常より短い納期を希望する場合に発生します。

あくまで目安であり、正確な料金は必ず業者に見積もりを依頼して確認してください。複数の業者から相見積もりを取ることで、適正価格を把握しやすくなります。

業者選びで失敗しないためのチェックリスト

選挙の成否を左右しかねない横断幕は、信頼できる業者に任せたいものです。数ある印刷業者の中から最適なパートナーを見つけるために、以下の点をチェックしましょう。

  • 選挙関連の製作実績は豊富か
    選挙用品の製作実績が多い業者は、公職選挙法に関する知識やノウハウを持っています。デザイン内容の法規チェックなど、的確なアドバイスが期待できます。ウェブサイトで過去の製作事例を確認しましょう。
  • 見積もりは明確で分かりやすいか
    「一式」のような曖昧な見積もりではなく、何にいくらかかるのかが明記されているかを確認します。追加料金が発生する条件(デザイン修正回数など)が事前に示されている業者は信頼できます。
  • 担当者の対応は迅速で丁寧か
    問い合わせへの返信が早く、専門的な質問にも分かりやすく答えてくれるかは重要なポイントです。選挙期間中は予期せぬトラブルも起こりうるため、コミュニケーションがスムーズな業者を選びましょう。
  • 品質と加工は信頼できるか
    屋外で長期間使用するため、生地や印刷の品質はもちろん、ハトメや縫製といった補強加工がしっかりしているかを確認しましょう。サンプルを取り寄せられる場合は、実際に手にとって確認するのがおすすめです。
  • 希望の納期を確実に守れるか
    選挙運動において納期遅れは致命的です。ウェブサイトに記載された納期だけでなく、現在の受注状況を踏まえた上で、確実に希望日までに納品可能かを確認することが不可欠です。

まとめ

選挙用の横断幕は、候補者の知名度向上や政策の周知に極めて有効なツールですが、その活用には公職選挙法という厳格なルールの遵守が絶対条件です。設置できる場所や期間、サイズ、枚数、記載内容などの規定を正しく理解し、違反による罰則を避けることが何よりも重要です。法律の範囲内で最大の効果を発揮するためには、デザインの工夫が欠かせません。この記事で解説したポイントを押さえ、公職選挙法を遵守した上で有権者の心に響く効果的な横断幕を作成していきましょう。

アドマクではオリジナル横断幕・懸垂幕・垂れ幕のデザイン制作を承っております。ご利用用途やサイズから費用を自動見積もりをすることもできますので、ぜひご確認ください!


 
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