フライングバナーを導入するとき、「どのくらいの期間使えるのか?」という耐久性が気になる方も多いのではないでしょうか。実は、屋外に出しっぱなしにするか、イベント時だけ使うかなど、使い方によって寿命は大きく変わってきます。
この記事では、フライングバナーの一般的な耐用年数や劣化のサイン、長持ちさせるためのメンテナンス方法まで、実践的なポイントをわかりやすくご紹介します。

フライングバナーの基本を簡単におさらい!
まずは基本的な特徴やメリット・デメリットについて簡単におさらいしておきましょう。フライングバナーがどのようなものかを知ることで、耐久性を考える上でのポイントも理解しやすくなります。
そもそもフライングバナーとは?
フライングバナーとは、ヨットの帆やしずくのような独特の形状をした布(バナー)を、しなやかなポールに通して設置する広告媒体です。その見た目から「セイルバナー」や「スイングバナー」とも呼ばれます。風を受けて回転する構造になっています。主に店舗の集客やイベント会場の案内、スポーツの応援など、人々の注目を集めたい様々なシーンで活用されています。
フライングバナーのメリット・デメリット
さらに、従来ののぼり旗と比較して風への耐性が高く、風を受け流す構造によりポールに巻き付いたり転倒しにくいという強みもあります。設置や撤去に関しても、専門的な工具や知識は必要なく、誰でも簡単に組み立て・片付けができるため、イベントなどで頻繁に使用する場面でも手軽に扱えるのが大きな利点です。
一方で、いくつかの注意点も存在します。まず、フライングバナーは特殊なポール構造を採用していることから、一般的なのぼり旗に比べて初期費用が高くなりがちな傾向があります。さらに、分割式であってもポールの長さがあるため、保管の際にはある程度の収納スペースが必要になります。
こうしたメリットとデメリットを総合的に踏まえたうえで、使用目的や設置環境に合った最適な選択をすることが重要です。
フライングバナーの耐久性はどれくらい?状況別で解説
フライングバナーの寿命は、設置する環境や使用頻度によって大きく異なります。ここでは、耐久性を左右する要因と、具体的な状況別の耐用年数の目安について詳しく解説します。
フライングバナーの耐久性を左右する3つの要因とは?
フライングバナーの寿命は、主に以下の3つの要因に影響されます。これらの要素を理解することが、バナーを長持ちさせる第一歩です。
- 設置環境(天候・紫外線)
最も大きな要因は設置環境です。特に屋外では、直射日光による紫外線、雨、風に常にさらされるため、生地の色あせや強度の低下が起こりやすくなります。屋内に比べて屋外での使用は、格段に劣化のスピードが速まります。 - 生地の素材と加工
フライングバナーに使用される生地の種類によっても耐久性は変わります。一般的に使用される「ポンジ」は軽量で発色が良い反面、薄手です。一方、「トロマット」は厚手で丈夫なため、ポンジよりも耐久性に優れます。また、撥水加工などの有無も寿命に関わってきます。 - 使用頻度とメンテナンス
毎日設置・撤去を繰り返す場合と、特定のイベント時のみ使用する場合とでは、生地やポールにかかる負担が異なります。また、使用後に汚れを拭き取り、適切に保管するといったメンテナンスの有無も、耐久性を大きく左右します。
屋外常設の場合の耐用年数
屋外にフライングバナーを常設する場合、耐用年数の目安は「約3ヶ月〜6ヶ月」と言われています。ただし、これはあくまで一般的な目安です。交通量の多い道路沿いや、海沿い、ビル風が強い場所など、厳しい環境下ではさらに寿命が短くなる可能性があります。
屋外での主な劣化原因は、紫外線による色あせ(特に赤や黄色は褪色しやすい)や、強風による生地のほつれ、ポールや土台の破損です。美しい見た目を保ち、安全に使用するためには、この期間を目安に交換を検討するのがおすすめです。
屋内やイベント時のみ使用する場合の耐用年数
屋内での使用や、屋外でもイベント開催時など短時間のみ設置する場合は、紫外線や雨風の影響をほとんど受けません。そのため、耐久性は飛躍的に向上し、適切な保管を行えば「1年以上、場合によっては数年間」使用することも可能です。
この場合の劣化要因としては、設置・撤去を繰り返すことによる生地の擦れや、長期間保管する際の湿気によるカビなどが考えられます。
こんな状態は要注意!劣化のサインとチェックポイント
フライングバナーを長く安全に使い続けるためには、定期的な状態のチェックが不可欠です。ここでは、「バナー生地」と「ポール・土台」に分けて、具体的な劣化のサインとチェックポイントを詳しく解説します。
バナー生地の劣化サイン
バナー生地の劣化は、フライングバナーの持つ広告効果やアイキャッチ効果を著しく低下させます。以下のようなサインが見られたら、交換や修理を検討しましょう。
劣化のサイン | 主な原因 | チェックポイント |
色あせ・変色 | 紫外線、雨 | ・印刷されたデザインや文字が薄くなっていないか・特に赤や黄色など、色あせしやすい色が白っぽくなっていないか |
ほつれ・破れ | 強風、摩擦、引っかかり | ・生地の端や縫製部分がほつれていないか・ポールが当たるスリーブ部分に破れや擦り切れがないか |
汚れ・カビ | 雨水、排気ガス、湿気 | ・表面に黒い点々(カビ)や筋状の汚れが付着していないか・濡れたまま保管したことによるシミがないか |
生地の硬化・ごわつき | 紫外線、経年劣化 | ・生地のしなやかさがなくなり、パリパリになっていないか・折りたたむと跡がつきやすくなっていないか |
ポールや土台の劣化サイン
バナーを支えるポールや土台は、安全性に直結する重要なパーツです。少しでも異常を感じたら、すぐに使用を中止し、点検・交換を行ってください。
チェック箇所 | 劣化のサイン | 危険性 |
ポール本体 | 傷・ひび割れ | 強風時に突然折れて、人や物に当たる危険性 |
過度なしなり・変形 | バナーの形状を保てず、見た目が悪くなる。破損の前兆 | |
接続部分の緩み・破損 | 強風でポールが分解・飛散し、重大な事故につながる危険性 | |
土台(スタンド) | サビ・腐食(金属製) | 強度が低下し、重さに耐えきれず破損する可能性 |
ひび割れ・破損(注水式) | 水漏れによる安定性の低下。凍結による破損の拡大 | |
不安定さ・ぐらつき | わずかな風や接触で転倒し、事故を引き起こす危険性 |
これらの劣化サインは、フライングバナーの寿命を示す重要な指標です。定期的にチェックする習慣をつけ、安全かつ効果的に活用しましょう。
フライングバナーの耐久性を高め長持ちさせるコツとは?
フライングバナーは屋外での使用を想定して作られていますが、少しの工夫でその寿命を大きく延ばすことが可能です。ここでは、誰でも簡単に実践できる耐久性を高めるためのコツを「日々の管理」と「定期的なメンテナンス」の2つの側面から具体的に解説します。
悪天候の日は屋内に収納する
フライングバナーの劣化を早める最大の要因は、過酷な気象条件に長時間さらされることです。特に以下のような天候の日は、事故防止の観点からも必ず屋内に収納するようにしましょう。
- 強風・台風の日:風速10m/sを超えるような強風時は非常に危険です。ポールがしなって折れたり、バナー生地が破れたりするだけでなく、バナー自体が吹き飛ばされて人や物に衝突し、思わぬ事故につながる恐れがあります。
- 大雨・雪の日:生地が大量の水分を含むと、重みでポールに過度な負担がかかります。また、濡れた状態が続くとインクの色褪せや生地にカビが発生する原因にもなります。
可能であれば、天候に関わらず閉店後や夜間は屋内に片付ける習慣をつけるのが最も効果的です。日々の少しの手間が、フライングバナーを綺麗な状態で長く使い続けるための重要なポイントとなります。
定期的なメンテナンスと適切な保管方法
使用後のメンテナンスと正しい保管方法も、フライングバナーの寿命を左右します。汚れを放置したり、不適切な環境で保管したりすると、生地やパーツの劣化が急速に進んでしまいます。
バナー生地のお手入れ方法
バナー生地に付着した砂埃や排気ガスなどの汚れは、中性洗剤を使って優しく手洗いするのが基本です。洗濯機や乾燥機は、生地の傷みや縮み、インクの色落ちの原因となるため絶対に使用しないでください。
- バケツなどにぬるま湯を張り、中性洗剤を少量溶かします。
- 柔らかい布やスポンジに洗浄液を含ませ、汚れた部分を優しく叩くように拭き取ります。強くこすると印刷面を傷つける可能性があるので注意しましょう。
- 洗剤が残らないように、綺麗な水でしっかりとすすぎます。
- タオルなどで水気を軽く拭き取った後、風通しの良い場所で陰干しします。直射日光は色あせの原因になるため避けてください。
パーツごとの適切な保管方法
長期間フライングバナーを使用しない場合は、各パーツの特性に合わせて正しく保管することが非常に重要です。とくにバナー生地とポール・土台については、それぞれに適した方法をとることで、劣化や破損を防ぎ、美しい状態を保つことができます。
バナー生地の保管方法
保管前には、バナー生地を完全に乾燥させておくことが大前提です。印刷面を内側にしてやさしく折りたたむか、丸めた状態で保管するようにしましょう。湿気が少なく、直射日光の当たらない室内での保管が最適です。
一方で、濡れたままの状態で保管してしまうと、カビや色移りの原因になります。また、硬く折りたたんでしまうと、折りジワができたりインクが剥がれたりする恐れがあるため注意が必要です。上に重いものを載せることも、生地の変形を引き起こす原因となるため避けてください。
ポール・土台の保管方法
ポールや土台は、汚れや水分を乾いた布で丁寧に拭き取ってから保管するのが基本です。可能であれば、購入時に付属していた専用ケースに収納することで、傷や表面の削れを防ぐことができます。
注意すべき点としては、屋外にそのまま放置したり、濡れたまま保管したりすることです。特に金属製の部品はサビの原因となります。また、注水式の土台を長期間使用しない場合は、タンク内の水を抜いてから保管することも忘れないようにしましょう。
購入前にチェック 耐久性の高いフライングバナーの選び方
フライングバナーを少しでも長く美しい状態で使用するためには、購入前の選び方が非常に重要です。ここでは、耐久性の高いフライングバナーを選ぶための3つのポイントを解説します。
用途に合った生地を選ぶ(ポンジとトロマット)
主に使用される素材には「ポンジ」と「トロマット」があり、それぞれ特徴や適した用途が異なります。設置環境や使用期間を考慮して、最適な生地を選びましょう。
ポンジの特徴とおすすめの使い方
ポンジは、薄手で軽量、裏抜け(裏からも柄が透けて見える)が良く、風になびきやすいのが特長です。また価格が比較的安価で、コストを抑えたい場合に向いています。
ただし耐久性は標準的で、屋外で長期間使用する場合は注意が必要です。紫外線や風雨の影響によって色あせやほつれが比較的早く進む可能性があるため、短期的な使用に向いています。
おすすめの用途:
- 短期間のイベントやセール告知
- 屋内での使用
- コスト重視の場面
トロマットの特徴とおすすめの使い方
トロマットは、ポンジよりも約2倍の厚みがあり、丈夫で透けにくい素材です。発色も良く、仕上がりに高級感があるため、より印象的な広告を演出できます。
耐久性も高く、厚手のため破れにくく、屋外で長期間使用するのにも適しています。特に、写真や繊細なデザインをきれいに見せたい場合におすすめです。
おすすめの用途:
- 屋外での常設(例:店舗前の看板代わり)
- 長期にわたるプロモーション
- 写真や細かいデザインを美しく再現したいとき
屋外に常設するなど、耐久性を重視するケースでは、初期費用はやや高くなるものの「トロマット」生地を選ぶのが安心です。逆に、短期間だけの使用やコストを抑えたい場合は「ポンジ」を選ぶとバランスがとれます。
耐久性を高める加工(防炎・撥水加工)を確認する
生地の素材だけでなく、施されている加工も耐久性や安全性に影響します。特に重要なのが「防炎加工」と「撥水加工」です。
防炎加工
商業施設や展示会など、不特定多数の人が集まる屋内で使用する場合、消防法によって防炎性能が求められることがあります。防炎加工が施されたバナーは、万が一の火災時に燃え広がるのを遅らせる効果があります。安全性を確保するだけでなく、設置場所の規定をクリアするためにも、事前に加工の有無を確認しましょう。
撥水加工
屋外で使用する場合、撥水加工は非常に有効です。雨水を弾くことで、インクの滲みや水垢による汚れを防ぎます。生地が濡れたままになる状態を減らせるため、カビの発生を抑制し、生地そのものの劣化を遅らせる効果が期待できます。これにより、長期間にわたって美しい見た目を保ちやすくなります。
丈夫なポールや安定感のある土台を選ぶ
フライングバナー全体の強度を支えるのがポールと土台(ベース)です。バナー生地が丈夫でも、ポールが折れたり土台が転倒したりしては意味がありません。設置場所に合わせて、最適なパーツを選びましょう。
ポール
ポールは風の力を受け流す「しなり」と「強度」が求められます。主流はグラスファイバー製で、柔軟性が高く強風でも折れにくいのが特徴です。購入時には、ポールの直径や継ぎ目の構造がしっかりしているかを確認すると、より安心して使用できます。
土台(ベース)
土台はフライングバナーを安定させる最も重要なパーツです。設置場所の環境に応じて選びます。
- 注水式タンク:水や砂を入れて重しにするタイプで、屋外設置の定番です。重量があるため安定性が高く、風の強い場所でも倒れにくいのがメリットです。
- スチール製プレート:フラットな金属製の土台で、主に屋内や風の影響が少ない場所で使用されます。見た目がすっきりしているのが特徴です。
- スパイクベース:先端が杭状になっており、土や芝生に直接打ち込んで固定します。地面にしっかりと固定できるため、グラウンドや野外イベントで高い安定性を発揮します。
特に屋外で常設する場合は、十分な重量のある注水式タンクや、地面に固定できるスパイクベースを選ぶことが、転倒による破損を防ぎ、バナーを長持ちさせるための鍵となります。
まとめ
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