「ChatGPTで横断幕のデザインを作ってみたら、思った以上にいい感じにできた。このまま印刷できないだろうか」とお考えではありませんか?

最近は、ChatGPTなどの生成AIで作った画像をもとに横断幕を注文される方が急増しています。AIを使えば、デザインの経験がなくても手軽にイメージを形にできる一方で、そのまま印刷に使おうとすると「比率が合わない」「ぼやける」「文字が直せない」といった問題が起こりやすいのも事実です。

この記事では、アドマクに実際に届くAIの画像でよくある8つの落とし穴と、AIの画像をスムーズに横断幕にするための上手な作り方・送り方を、横断幕の印刷を手がける立場から解説します。

横断幕の自動見積もり
目次

AIで作った画像は横断幕の印刷にそのまま使える?

そのままでは印刷データとして使えないことがほとんど

ChatGPTなどの生成AIで作った画像は、スマートフォンやパソコンの画面で見る分にはきれいでも、横断幕の印刷データとしてそのまま使えるケースはほとんどありません。横断幕の形に合っていなかったり、大きく印刷するには画像が粗かったり、文字を直せなかったりするためです。

そのため、AIの画像をもとに横断幕を作るには、デザイナーがIllustratorなどで作り直す作業が必要になります。デザインによってはこの作業に時間がかかり、仕上がりまでの日数が延びてしまうこともあります。

AIは「イメージづくり」と「パーツづくり」に使うのがおすすめ

AIが得意なのは、「こんな雰囲気にしたい」というイメージや、イラスト・背景などの素材を短時間で作ることです。AIで完成品を作ろうとするのではなく、デザインの方向性を伝える参考イメージや、横断幕に使うパーツを作る道具として使うと、横断幕づくりがぐっとスムーズになります。具体的な方法は後半でご紹介します。

AIの画像でよくある8つの落とし穴

ここでは、アドマクに届くAIの画像で特によく見られる問題を、多い順にご紹介します。

落とし穴① 横断幕の縦横比と合っていない

もっとも多いのが、縦横比の違いです。AIが作る画像は、正方形(1:1)や、やや横長(3:2、16:9など)が一般的です。一方、横断幕は縦90×横360cm(1:4)のように、とても横に長い形をしています。

比率の違う画像を横断幕のサイズに合わせようとすると、横に引き伸ばされて文字や絵がゆがむか、上下が切れて大事な部分が欠けるかのどちらかになります。結局、レイアウトを一から組み直すことになるケースがほとんどです。AIに頼むときは、横断幕の形を「縦1:横4」のような比率で伝えると、比率のずれを減らせます(詳しくは後半で紹介します)。

落とし穴② 解像度が足りず、大きく印刷するとぼやける

AIが作る画像は、一般的に1辺が1,000〜2,000ピクセル程度です(サービスや設定によって異なります)。画面で見るには十分でも、横断幕の大きさに引き伸ばすと、細かさがまったく足りません。

例横幅横360cmの横断幕に引き伸ばした場合
AIで作った画像約1,500ピクセル1インチ(約2.5cm)あたり約11ピクセル
横断幕の印刷で一般的に望ましい目安約7,000〜14,000ピクセル1インチあたり約50〜100ピクセル

アドマクでは、Photoshopの生成AIによるアップスケール(高解像度化)などを使って画像を大きくして対応していますが、画像によってはうまく大きくできないものもあります。特に、細かい模様や文字、ロゴの輪郭は、アップスケールしてもきれいに再現できないことが多いです。

落とし穴③ ハトメや幕のしわまで絵の中に描かれている

AIに「横断幕のデザインを作って」と頼むと、ハトメ(金属の穴)や幕のしわ、ロープ、背景の壁やフェンスまで描き込まれた「完成イメージ図」になることがよくあります。見た目はリアルで分かりやすいのですが、これを印刷すると、ハトメやしわの「絵」がそのまま横断幕に印刷されてしまいます。

このような画像はデータとしては使えないため、デザインを作り直す必要があります。AIに頼むときは「平面の印刷用デザインとして」「ハトメやしわ、背景は描かないで」と指示しましょう。

落とし穴④ 文字が崩れていて、既存のフォントで置き換えられない

AIは画像の中に文字を「絵」として描くため、日本語が崩れたり、存在しない漢字になったり、一部の文字が抜けたりすることがよくあります。さらに、AIが描いた文字は実在するフォント(書体)ではないため、同じ雰囲気のフォントで置き換えようとしても、ぴったり合うものが見つからないことがほとんどです。

そのため、横断幕では近いフォントに置き換えることになり、AIの画像とは文字の印象が変わることがあります。チーム名や店名、日付などの文字は、画像の中に入れるのではなく、テキストで正確に伝えるのが確実です。

落とし穴⑤ 複雑なデザインはIllustratorで再現するのが難しい

AIの画像は、文字・イラスト・背景・光の効果などがすべて1枚の絵として混ざり合っています。そのため、「この文字だけ変えたい」「イラストを少し右に動かしたい」といった修正ができず、Illustratorで作り直す必要があります。

特に、細かい装飾やリアルな質感、複雑な光の表現などが入ったデザインは、Illustratorで同じように再現すること自体が難しい場合があります。また、AIで作ったロゴを使う場合は、画像から印刷用のデータに描き起こす「トレース」が必要になり、アドマクでは別途3,000円(税込)を頂戴しています。

落とし穴⑥ 画面の色(RGB)で作られている

AIが作る画像は、画面用の「RGB」という色の仕組みで作られています。一方、横断幕の印刷はインクで色を表す「CMYK」という仕組みです。AIの画像によくある鮮やかな発色やネオンのような光の表現は、印刷すると少しくすんだり暗く見えたりします。

色の違いについてはパワーポイントやWordで横断幕は作れる?でも詳しく解説しています。色の仕上がりが心配な場合は、カラーチャートを印刷した無料の生地サンプルで色味を確認できます。

落とし穴⑦ 端までデザインが詰まっている

AIの画像は、画面いっぱいに絵や文字が描かれていることが多いです。しかし横断幕では、周囲にハトメを付けたり縫製したりするため、端に近い部分は隠れたり見えにくくなったりします。アドマクでは、文字やロゴは仕上がりサイズから4cm以上内側(袋縫いの場合は5cm以上内側)に配置することをおすすめしています。

落とし穴⑧ 著作権や商標のトラブルになることがある

AIは、既存のキャラクターや有名なロゴ、他人の作品に似た画像を作ってしまうことがあります。そうした画像を横断幕に使うと、著作権や商標の侵害にあたるおそれがあります。また、AIサービスによって、作った画像を商用利用できるかどうかの条件も異なります。AIに指示を出すときは、特定のキャラクター名や作品名、他社のブランド名を使わないようにし、お店や会社の宣伝に使う場合は利用規約も確認しておきましょう。

AIの画像をスムーズに横断幕にする作り方・送り方

いちばんのおすすめは「パーツごとのPNGをZIPで入稿」

AIの画像を使って横断幕を作りたい場合は、完成した1枚の絵を送るのではなく、イラストや背景などのパーツをそれぞれPNG形式で保存し、ZIPファイルにまとめて入稿していただくのがおすすめです。

「パーツごと」と言われても、デザインソフトを使ったことがないとピンと来ないかもしれません。イメージとしては、紙で工作をするときに「背景の色画用紙」「切り抜いたイラストのシール」「文字」を別々に用意して、最後に台紙の上で貼り合わせるのと同じです。

1枚の完成した絵ではなく、背景・イラスト・ロゴ・文字をパーツに分けてZIPで送ると横断幕に組み立てやすい

AIで作った1枚の完成した絵は、いわばすべてがのりで貼り付いてしまった状態です。文字だけを直したり、イラストだけを動かしたり、横長に並べ直したりすることができません。

一方、背景・イラスト・ロゴ・文字がバラバラになっていれば、デザイナーが横断幕の横長の形に合わせて、それぞれの大きさや位置を自由に調整しながら組み立てられます。その結果、イメージに近い横断幕を、短い時間で仕上げられるのです。

なお、イラストのパーツは「背景が透明なPNG」で用意するのが理想です。背景が透明とは、イラストのまわりに白や色の四角い背景がなく、イラストの形だけが切り抜かれている状態のことです(上の図の市松模様の部分が「透明」を表しています)。

パーツ用意の仕方
イラスト・キャラクター・モチーフ1つずつ別の画像として、できるだけ大きいサイズで作り、背景を透明にしたPNGで保存
背景文字やイラストを入れない背景だけの画像を、できるだけ大きいサイズ・横長で作る
ロゴIllustratorなどの元データがあれば一緒に入れる(ない場合はトレースが必要)
写真できるだけ大きなサイズの元画像を入れる
文字画像にはせず、デザイン依頼書にテキストで書く
完成イメージ配置の参考として、AIで作った全体のイメージ画像も1枚入れておく

ZIPファイルは、注文完了後の入稿画面からデザイン依頼書と一緒にアップロードできます。ZIPファイルの作り方は、パソコンで複数のファイルを選んで右クリックし、「圧縮」や「ZIPファイルに圧縮」を選ぶだけです(お使いのパソコンによって表示は異なります)。

AIへの指示で気をつけたいこと

  • 「平面の印刷用デザイン」として作ってもらう:ハトメやしわ、ロープ、背景の壁などを描かないよう指示します。
  • 文字は入れないでもらう:文字はあとからテキストで入れるため、AIには絵や背景だけを作ってもらいます。
  • パーツごとに作ってもらう:「背景を透明にしたイラストだけ」「背景だけ」のように、1回に1つのパーツを作ってもらうと組み立てやすくなります。
  • パーツも「横断幕用」であることを伝える:「横断幕に大きく印刷するためのパーツ」だと伝えると、細部までくっきりした画像になりやすくなります。
  • できるだけ大きいサイズで作ってもらう:背景もイラストも、設定できる範囲でいちばん大きなサイズで作りましょう。
  • 形は「サイズ」ではなく「比率」で伝える:「縦900mm×横3600mm」のように実際のサイズで指示するより、「縦1:横4の比率で」と比率で伝えたほうが、横断幕の形に合った画像になりやすいです。注文する横断幕のサイズから比率を計算して伝えましょう(例:縦90×横360cmなら縦1:横4、縦60×横300cmなら縦1:横5)。

たとえば、ChatGPTには次のように頼むと、横断幕に使いやすいパーツを作りやすくなります(AIサービスによって、できること・できないことは異なります)。

作りたいパーツ頼み方の例
背景「横断幕に大きく印刷するための背景画像を作ってください。縦1:横4の比率で、文字やイラストは入れず、紺色から水色のグラデーションに光のラインが入ったデザインにしてください。ハトメや幕のしわ、壁などは描かない平面のデザインで、できるだけ大きいサイズでお願いします」
イラスト「横断幕に大きく印刷するためのイラストのパーツを作ってください。バスケットボールのイラストを1つだけ、背景は透明なPNGで、文字は入れずに、できるだけ大きいサイズでお願いします」

アドマクの無料デザインに依頼するときのポイント

アドマクの無料デザインは、お客様の原案をもとにデザイナーが印刷用データを作成するサービスです。AIで作った画像も、原案や素材としてお送りいただけます。その際は、入れたい文字をテキストで、色にこだわりがある場合はDICカラーの番号などで、デザイン依頼書に具体的に書いてください。

なお、無料デザインはAIの画像を細部まで完全に再現するサービスではありません。複雑な構成のデザインや、有料の画像素材が必要な場合は、無料デザインをお受けできないことがあります。修正は3回まで、ロゴなどのトレースは別途3,000円(税込)です。

「AIで作った画像を横断幕にできるか見てほしい」「どんな形で送ればいい?」といったご相談は、お問い合わせやLINEからお気軽にどうぞ。枚数の多いご注文は見積もり依頼で価格のご相談も承ります。

AIの画像を送る前のチェックリスト

チェック項目確認すること
縦横比注文する横断幕のサイズと比率が大きく違っていないか
余計な描き込みハトメ・しわ・ロープ・背景の壁などが描かれていないか
パーツイラストや背景をパーツごとのPNGで用意し、ZIPにまとめたか
文字入れたい文字をテキストで用意したか
ロゴ・写真ロゴの元データ、写真の大きな元画像があるか
色印刷すると少し落ち着いた色になることを理解しているか
余白大事な要素が端から4cm以上内側にあるか
権利キャラクターや他社のロゴに似ていないか。商用利用できるか

自分でデザインを考える場合のサイズや配置の考え方は、横断幕サイズの選び方や簡単でおしゃれな横断幕デザインのアイデアも参考にしてください。

まとめ

ChatGPTなどのAIで作った画像は、縦横比が合わない、解像度が足りない、ハトメやしわまで描き込まれている、文字が崩れて既存のフォントに置き換えられない、複雑でIllustratorで再現しにくい、色がRGBで作られているといった理由から、そのままでは横断幕の印刷データとして使えないことがほとんどです。AIは完成データを作る道具ではなく、イメージや素材を作る道具として活用しましょう。イラストや背景はパーツごとにPNGで保存してZIPにまとめ、文字はテキストで伝えていただくと、スムーズにきれいな横断幕に仕上げることができます。

アドマクではオリジナル横断幕・懸垂幕・垂れ幕のデザイン制作を承っております。ご利用用途やサイズから費用を自動見積もりをすることもできますので、ぜひご確認ください!

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